フィンランドの秋、森は“自然のパントリー”へと姿を変えます。
9月になるとブルーベリーやリンゴンベリーが実り、あちこちに赤や紫の小さな宝石が散りばめられたように輝きます。
足元に目を凝らせば、黄金色のカンタレッリ(アンズタケ)も顔をのぞかせ、バスケットいっぱいに摘み取る光景はこの季節の風物詩です。
フィンランドには「自然享受権(Everyman’s Right)」があり、誰もが自由に森に入り、ベリーやきのこを摘むことができます。
森を歩きながら摘んだ実をその場で味わう―そんな素朴で贅沢な体験は、まさにスローライフそのもの。
摘んだベリーはジャムやパイに。きのこはスープやソテーにと、素敵な料理に変わります。
家族や友人と食卓を囲み、森の恵みを分かち合う時間には、北欧らしい暮らしの知恵とあたたかさが詰まっていますね。