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協会の場所・設立経緯・主な活動

協会の基本情報

浜松フィンランド協会は、2017年4月3日、静岡県浜松市の都田という小さな街に設立した、まだ生まれたての赤ん坊のような小さく未熟な団体です。浜松市の人口は87万人、東京と京都の中間点でどちらからも新幹線で約1時間半の場所にあります。

交通の便もよく、気候も温暖で年間快晴率は日本で一位とも言われます。海、山、川、湖があり、自然の豊かさや野菜の栽培品種数も日本一ということで、非常に過ごしやすい場所です。産業は、楽器メーカーのヤマハ、バイクメーカーのヤマハ発動機、ホンダ、スズキなどが創業した場所。浜松の方言に「やらまいか」という言葉があり、その意味は「とにかくまずはやってみよう!チャレンジしよう!」です。日本でも突出したリベラルな風土、そしてオープンマインドな人柄の街です。

 

フィンランドヴィレッジそして協会設立の経緯

協会のある都田は浜松市の北部にある小さな村で、約50年前頃から大都市に人が移りはじめ、次第に過疎化したこの場所は2000年頃には高齢者ばかりの少し寂しい街となっていました。

浜松フィンランド協会の理事長は、この街で建築会社を本業としている蓬台浩明です。この街が好き、そしてフィンランドが好きということで、建築の仕事の傍ら、本社近くの地域の地主から使わなくなった古民家や畑を無償で預かりリノベーションを行って、2009年から北欧雑貨・家具のお店を運営。それが少しずつ広がり、今では約100,000m²のエリアに69世帯の地元住民の住居と共存しながら、インテリアショップ、カフェやホテルなど30施設が点在しています。

蓬台は何度も訪れたフィンランドと都田の街に何か共通する雰囲気を感じていました。2013年頃からは独自の視点でフィンランドと日本を融合した街づくりを行い、ここを訪れた人たちから次第にこの街は「フィンランドヴィレッジ」と呼ばれるようになりました。

そして、日本フィンランド協会の理事長・早川治子様の助言により、このフィンランドヴィレッジに集まる日本人にフィンランドの魅力を伝え両国の交流をより深めることを目的に、2017年4月3日に浜松フィンランド協会を設立しました。

 

IPPO TO JAPANについて

フィンランドで日本語を学ぶ高校生や大学生が日本に滞在しながらボランティアとして仕事を行い、日本の文化や風習そして生活を通じて自身の未来の可能性を拓いていただく機会をつくりたいと考える蓬台のために、下村有子さん、そしてフィン日協会名誉会長のMatti Enestamさんが、2016年の1月に蓬台がフィンランドを訪れた際、Matti Enestamさんの故郷である街のラヤマキ高校を案内していただき、フィンランドで日本語教育を行うIPPOプロジェクトを仕切っていたUlla Saariさんに会う機会を得ました。そしてわずか2時間ほどのミーティングにもかかわらず互いの思いが通じ合い、その年の6月末からスタートするために動き出したのです。

このプロジェクトでは、航空運賃、ホテル滞在費、ボランティアの諸費用のすべてを浜松フィンランド協会からの奨学金で参加できるため、資金的に厳しい学生にも日本への間口を拓く機会となっています。

2017年から毎年3~5人の学生が、一人あたり1か月~3か月の間、フィンランドヴィレッジにあるホテルに一人ずつ滞在し、インテリアショップやカフェレストランで働きながら日本人と交流を深めます。日本の文化を肌で感じながら日本での暮らしを自身のSNSで日本語とフィンランド語で発信してくれます。

ボランティアを行う蓬台の会社は2010年に経産省から日本を代表する「おもてなし企業」に選ばれており、日本のサービスクオリティとそのマネジメントを実体験から学ぶ機会として、フィンランドとは異なるチームワークやホスピタリティの在り方などは学生にとっては驚きと共に多くの学びになったと言ってくれます。2020年、2021年はコロナによってIPPO TO JAPANはやむなく中止となりましたが、コロナが世界的に収束した折には必ずや再開したいと考えています。

 

宮大工によるアアルト大学でのデモンストレーションについて

浜松フィンランド協会のあるフィンランドヴィレッジの建物は、デザインは現代風の建物ですが宮大工が建てています。宮大工とは、神社仏閣など伝統的な日本建築に使われてきた「木組み」で作ることができる数少ない職人であり、現在日本には150人ほどしかいないと言われます。

接合部に金物を使用せず木と木を知恵の輪のように組み合わせる技法によって強度が増すことで、地震の多い日本でも1400年以上も前に建立した法隆寺のような建造物が今も存在しているのです。しかし現代の日本の建築物には法的な規制があるため一般建築では宮大工の技術は使われません。その技を習得できる機会が減っていることを危惧し蓬台は、その技を受け継ぐための「棟梁育成学校」の運営を始めました。

2018年にはフィンランドの首都ヘルシンキのアアルト大学にて宮大工が神社仏閣で使われている木組みについてのデモンストレーションを行い、多くの学生や建築に携わる方々が興味をもってくださいました。今後も木を大切にする両国の伝統と技術の交流を進めていきます。

 

国交100周年のヘルシンキでのお神輿イベントについて

2019年の日本フィンランド国交100周年の年に、浜松フィンランド協会で作ったお神輿をフィンランドに届けました。そして2019年5月18日には国交イベントとして「FINLAND OMIKOSHI 2019」を開催。日本人とフィンランド人の約120人ずつが同じ法被をまとい、エスプラナディ通りをお神輿行列で練り歩きました。村田大使も終始先頭に立ってお担ぎになられました。日本からも多くの方がご参加いただきました。イベント終了後、お神輿が国立博物館に約一か月ほど展示された際には秋篠宮殿下妃殿下もご覧になられました。

このイベントが実現できたのは、発起人の冨田憲男様のフィンランドへの感謝の念に始まり、Matti Enestam様、下村有子様、Heikki Maenpaa様そして日本人会の有志の皆様、日本フィンランド協会の早川治子様をはじめ多くの皆様のご支援によるものでした。

フィンランドに寄贈したお神輿は、当初、国立博物館での永久保存という有難いお話をいただきましたが、今後、お神輿の持ち出しが一切できないということでした。イベントの際には、多くの人がこのお神輿を有益に活用してほしいという蓬台の思いがあり、Heikki Maenpaa様のお力添えにより、彼の故郷のカンガサラのシティセンターに展示保存され、貸出しも可能な状態で管理される契約を締結できました。今後、お神輿行列を定期的に行いたいことと、両国のイベント等の多くの場面でご活用いただけることをせつに願っています。

 

これからのビジョン

  • IPPOプロジェクトの奨学金制度による滞在支援の継続。そしてそのプロジェクト修了者が日本との関わりにおいての手厚いサポート体制を整え長期的なフォローを行う。
  • 寄贈したお神輿の活用促進。
  • 日本の他の協会との連携を深め、フィンランドから訪れる人たちが日本各地で滞在しやすい仕組みづくりをしたい。
  • フィンランドヴィレッジを訪れる日本人の若者に、フィンランドの魅力をより分かりやすく伝える機会を増やしフィンランドの「幸福感」から日本社会の中での自らの生き方を見つける手助けをしたい。

浜松フィンランド協会のこれからを何卒ご支援ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

FINE PICK UP

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