フィンランドの秋は、森や畑が豊かな恵みをもたらしてくれる季節です。
市場にはジャガイモやニンジン、ビーツといった根菜が並び、森からはカンタレッリ(アンズタケ)やポルチーニなどのきのこが顔を出します。これらを使った素朴な家庭料理は、北欧のスローライフを象徴する味わいです。
定番のひとつが「ロヒケイット(lohikeitto)」と呼ばれるサーモンスープ。
秋に収穫したジャガイモや人参とサーモンを煮込み、仕上げにクリームを加えたやさしい味わいは、家族の食卓を温めてくれます。また、きのこはクリームソースで煮込んでパスタやじゃがいも料理に添えるのが定番。森で摘んだベリーはジャムにしてパンやヨーグルトに合わせ、長い冬に向けて保存します。
収穫の喜びを料理にのせて味わうひとときは、自然とともに生きるフィンランドらしい暮らしの知恵。秋の食卓には、季節を大切にする北欧ライフの豊かさが詰まっています。