こんにちは、スローガーデンのあきちゃんです。
今回は、ドロフィーズキャンパスの地域の方々への何気ない配慮とそのデザインについて
おはなししたいと思います。
ドロフィーズキャンパスは、ご近隣の約30世帯の地域の方々のご厚意で成り立っていて、
たくさんのドロフィーズの建物が、ご近隣のお家と隣接しながら建っております。
建物内にエアコン設備があると、どうしても室外機というものが建物外に必要になりますよね。
いくら外観が素敵で自然素材を使ったお家やお庭でも、無機質な白い室外機がむき出しになっていると、
間が抜けてしまって、せっかくの美観が台無しになってしまいます。
また、室外機からはご近隣や通行人に向けて騒音や排気が及ぶような環境面での問題もあります。
ドロフィーズのメインストリートですが、この写真の中だけで、4か所の室外機があるので
すが、どこにあるかお分かりになりますか?
排気がこもらないように木を使ったスリット状のカバーがとりつけられています。
騒音や排気といった問題に対しては、効果はさほどない形かもしれませんが、このように
カバーを取り付けていることで、周りへの配慮の気持ちがあることが感じられますよね。
薪ストーブギャラリー横の自転車置き場前の様子です。
自転車を置くときに、室外機が見えてしまうのと、このように自然素材を使ったカバーで、
木のぬくもりを感じられるのと、どちらの方がお客様の歓迎の気持ちが伝わるか…
一目瞭然ですよね。
駐輪場の隣は、お隣のご近所様のお家のエントランススペースにもなっているので、
このようにカバーをとりつけることで、隣に建物が建っているという圧迫感を少しでも
和らげることができます。
薪ストーブギャラリー入り口前デッキスペースです。
以前までは、室外機がむき出しになっていて、手前にせっかく素敵なしつらえで整えてあっても、
室外機のせいでなんだか台無しになってしまっていました。
カバーが取り付けられて、さらにそこもディスプレイ空間の延長として利用しています。
空間が広がって、さらに一体感がぐっと出てきました。
ここは、白のminkaアゴラ棟の北側です。
アゴラ棟のart&peopleの入り口は、建物北側に設けられていて、どうしてもこの室外機の
横を通って入るしかない導線。
このように木製のスリットカバーをとりつけてしまえば、脇を通るときも嫌な気持ちに
なることはありません。
このお庭は、和のテイストも入ったお庭なので、カバーに使う木も、落ち着いた色で揃えて
あります。このような木製のスリットや格子は、木と木の間隔を狭くして、等間隔に整えると
緊張感が出て和の雰囲気に近づけることができます。
建物の外壁の硬質さやインダストリアルな素材感と、和の趣がある木製スリットカバーの
バランスが絶妙です。
お庭づくりや、お家づくりの際には室外機があることによって、様々な弊害や制約を受けること
が多いですが、このように木製カバーを取り付けてあげるだけで、デザイン的な価値が上がったり、
制約を取り払うこともできます。
何より、通りに面した室外機へカバーを取りけることは、環境的な配慮を持っていることの
象徴でもあります。屋内など自分たちが居る空間にだけ、使い勝手、こだわりやデザインの意識
を向けて家やお庭をつくるのではなく、お隣さんや、家の前を通る通行人、郵便配達や友達などの訪問者、
そして地球や自然から見て、どんな風にお家やお庭が見えるのか、どんな影響を与えたいのかも意識
を向けてみましょう。
お庭に二酸化炭素を吸収し、酸素を作ってくれる木を一本植えるだけで、環境や地域への姿勢の見え方
は変わってきます。
ドロフィーズでは、このような「利他のデザイン」も、お客様に提案しながら、さらにどんなことで
自然や周りへ与えることができるのかを日々模索しています。